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黒澤宮崎対談とビートくん

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圧倒的に北野対談のほうが面白かった覚えがあるのだが(黒澤さんのノリかたが全然違ってた)、DVDに焼くにあたって見てみると、宮崎さんがインタビュアー役にてっしていてかえって黒澤さんの話を沢山聞けて面白かった。日テレ夜中の、まあだだよの宣伝番組だったけど、室町期の時代劇をやりたいとひかえめに発言する宮崎さんに、「シェークスピアを戦国時代でやればいいよ」・・・蜘蛛巣城じゃん。ま、もののけ姫という疑似時代劇ファンタジーに結実したわけだからイイのか、クリエイターが安易に合意してはいけない。 

北野対談はNHKBSの仕掛けた企画だが最初御殿場を訪ねるシーンから始まるのはおなじ。でも待ち侘びたみたいに喜んで招く黒澤さんの呼び掛けが「ビートさん」。。 

それでいいんだよな。 

しかしもうこのころはビートさんも自費つぎこんで映画にかなり没頭してたわけで(ソナチネなんて自信満々なのになんで客入らないんだろって北野ファンクラブで言ってたな)、製作者の視点で共に語り共感してた。根幹が似てるんだろな。あとビートさんが凄く謙虚なのがびっくりした。まるで師匠の芸を盗もうとする青二才みたいだ。散々ヤユされていた晩年黒澤作品をあれだけ見込んでるのも凄いや。七倍速で見たアカデミー作品を映画評論連載で扱ってた人があんなに細かく分析して見てるって。。もっとも黒澤作品に触れたのは撮るようになってかららしいけど。 

共に本になりビデオにもなってたかな。黒澤さんの蝦蟇の油読んでたら訃報が流れた。黒澤選出の映画特集、BSでやったあとだったか。もとより内田好きの私はまあだだよを見返した。最期の夕日を見て、涙が出た。人は自覚なくとも人生の終わりに何かを見出だして仕舞う。淀川さん最後の解説・・・ラストマンスタンディング・・・も添えて、一枚焼こう。 

学生時代、千人劇場で七人の侍見てもまったく惹かれなかったっけなあ。

見てたら座頭市やりたいって言ってた。事故前から構想してたんだ。喜劇で(謎)内容に黒澤爆笑。ぼくにはとても考えつかん、だって。さすがだなあ。でも「目が見えないで、アレはおかしいですよ」て言葉に北野座頭市のオチを思わずにおれなかった。 

裏で軽く毒舌するくらいがクリエイターの立ち位置としてはよかですよ。同調したら甘えにつながる。当時の有名人森毅さんとのくだけたトークはタックルのノリでずいぶんといつものたけし番組テイスト。北野小田和正対談(すべったなー)と一緒に別にまとめとくかな。 


これは確かBSの北野特集でソナチネの宣伝というわけでもなかったか。

それにしてもクロサワは凄いなあ。。さっき黒澤&淀川追悼時に録画したビデオからいくつか見てたんですが、入門編の椿三十郎でさえ隅々まで本気だし(遠回し長回しに耐えるあんなスケールの武家屋敷街、黒澤組以外作れない・・・用心棒ほどの綿密さはないけど)SWと決定的に違うのはテーマが戦争と人間の悲劇みたいな、借りてきたようなものではなく、人間個人同志のスリリングな駆け引きだけ描きたいてとこ。人間ドラマですよね、娯楽路線といっても人間ドラマの本筋から外れてはいない。とにかく西部劇チックで道異様に広くて、時代劇らしくない伝統の型の無い独特の台詞や殺陣ふりは寧ろリアル、この組の想像力というかリアルな武士にたいするイマジネーションの凄さに恐れ入りました。 

昔課題で「村一番と祭り上げられてたへっぽこ浪人」が流れで旧知のマジ浪人に会って決闘しなければならなくなる話を書いた私は、マジ浪人は右利きだからまず二本を下げて瞬時に動けるべく、擦り足&右肩の筋肉が極端に隆々という造形を生み出したけど、本がヨンコマ漫画なのでオチがなく不評だった。講師はいい人で、わざわざ課題の倍書いた冊子を二部コピーして俎上に上げてくれたし(鳥の声と田植え歌にこだわりすぎて失敗したから消したがなあ、目に見える耳に聞こえると評価する人もいた)、とにかく架空は「楽」だからまたやりたい。早くしないとやられてしまう。ギリギリの線上で売れるもの目指してるんだからパイは限られている。 

太秦みたいに変に考証にこだわらずともここまでリアルな侍がえがけたのが、若いころ洋画に感化されまくったからこそ逆の作風を追求できた小津同様、世界にも図らずして敷居なくアピールできる普遍を獲得できた由縁でもあるんでしょう。共同脚本がよかったせいもあるでしょうけど、セリフの無駄のなさ絵のつぎかたの上手さでもSWとは較べものにならない。でも、映像の凄さではSWは今までにないものを黒澤の徹底路線上でヤンキーなりに昇華させたもの!黒澤さん生きてたらSW3見て映像は褒めてほしかったな・・・ラストの砂漠に二つの太陽を霞ませる砂埃がないと怒ったりして。 

イーストウッドにとっても恩人だけど、黒澤、頑張って、てだけで側のルビーの指輪に「クリントさん」て事もなげに紹介て・・・仲代さんはそれにしてもロードの義父ミフネは別格として生え抜きのクロサワチルドレン、あんたも次の黒澤を探してくれー早く!

寝ながら書いたらわけわからん。なんだこりゃ。

2005年10月25日mixi日記サルベージ

by r_o_k | 2017-09-12 10:52 | 映画

長尺版リンクあり補記)「この世界の片隅に」によせた個人的思い(クラウドファンディング参加しとけばよかった的な)2011-2017展覧会まで+

補記
12月公開、30分補完版「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」の情報解禁となった。原作で重要な人間関係が、戦後も続く日常の場面とともに復活するとのこと。呉の鮮明な遊郭写真がTwitterに流れていた。すでに最初の公開で出来ていたものをカットした、それの復活という噂もあったが、そういう発見ももとに、より立体的な物語となるのだろう。期待して待ちたい。アニメーション映画はドラマ版(アニメーション映画へのオマージュシーンがありクレジットに謝辞が出て物議を醸した)とは関わりがないとの公式なコメントが出た矢先。布石だったのだろうか。(2018/7/26)
2019年中に延期になりました。(リンク先参照)
(2018/10/19)

付記
二度目のドラマ化、連続だそうである。原作が実際の日付にあわせて日記的に進行する連載だっただけに、またそのあとも日記的な印象を与える断片的な作者の手稿が出ているので、今回もそれを意識した時期に放送するということだと思う。少し手が加わっているとのことで私は見るかどうかわからない。ただ、これも一つの作品への導入口となれば幸いだ。次いで、豪雨被災者の方々、ボランティアの方々には暑気の中、身体を壊さないよう遠くから、些細なこととともにお祈り申し上げます。崖崩れが呉への輸送路を断ったときは、陸路中心の今と水路中心の昔で被害の形も違うのだと思いました。。(2018/7)
ドラマはドラマとして独立して完結し、数々の補完的表現や放送上配慮?で賛否もありましたが、ドラマだけを見ている層が確実に掴まれていたようですね。終幕の現代シーンは皆が見たかった「二次創作的シーン」でしたが、作品というものはこういうふうに変奏されていくものです。選ぶのは自由。(後日)
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呉市観光ポスター(この世界の片隅にバージョン)at入船山記念館
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呉港

書籍リンクは右欄にもあります(むかしから!)
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posted at 22:23:568月5日岡林リョウ@ryookabayashi予算はなかったんだろうなあ。 #この世界の片隅にposted at 22:21:378月5日岡林リョウ@ryookabayashiもこみち、でかいなあ #この世界の片隅にposted at 21:31:378月5日岡林リョウ@ryookabayashiりょうが当たり過ぎるw #この世界の片隅にposted at 21:22:35岡林リョウ@ryookabayashi前後編だとばっかり思ってたので宙ぶらりん。。景色は綺麗。 #この世界の片隅にposted at 23:21:558月5日岡林リョウ@ryookabayashiなんか単純なハッピーエンド #この世界の片隅にposted at 23:20:368月5日岡林リョウ@ryookabayashiこういう謎解きはあってもいいが #この世界の片隅にposted at 23:18:468月5日岡林リョウ@ryookabayashiでた蘊蓄 #この世界の片隅にposted at 22:32:338月5日岡林リョウ@ryookabayashi前編だけでは飽きてしまう原作未読の人も出てきてしまうかなあ やはりこうの画の力はでかい #この世界の片隅に///この後アニメ化企画の話、クラウドファンディング、進行具合のリツイが断続的に続いて//////観劇後///
折しも首相の真珠湾訪問があり。それにあわせてカナダのレーベルより開戦時の臨時放送を収録したCDが送られてきました。
素晴らしいエントリなので引用させていただきました
※すいません引用します

※すいません引用します


おしまい。
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200万人動員!

by r_o_k | 2017-06-05 07:43 | 映画

トランスフォーマー・リベンジのリベンジがぁぁ!!

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これなんかぜんぜん覚えてないんですが。昨晩わりと朝生面白くて別作業しながら見てたら3時過ぎたとこまで覚えてるんだけど。。。多分映画の影響で寝ぼけてかいたんだとおもう。


今週はいろいろ疲れた。昨晩予定を二転三転させ、結局休むのが目的で映画館入ったんです。ところが夜遅いのに若者多くて暑い。かんじんの映画は休む隙のない、「平板な」高テンション!画面煩さ過ぎてかなりしつこい。

そう、トランスフォーマー・リベンジを見たんです。前作の統制とれた兵隊みたいなトランスフォーマーのほうが独自性があるし、緩急あってよかったな。パイレーツオブカリビアン3的な感じなんですよ。ただ長いだけで思わせぶりな設定もたいした意味はなく、お決まりの人間(人間?)ドラマがウンザリしてくる、、、

こんな複雑な映像こんなスピードで把握しきれるわけねーだろベイ!内容のなさと映像の豪華さの乖離にもほどがある。みんな疲れてた、最後砂漠シーン長すぎ。スピルバーグはスタイルが単純になりすぎてる、つか戦争への執着以外ほとんどかかわってないだろ!


ベクシルみたいな吸い込みロボットと、ブラックバードの老戦士はよかったけど。着地杖を武器にしてるのがいいね。老戦士にはもっと闘う見せ場を与えて欲しかった。かっこよい。

他はエイリアンズのクィーンやらスピーシーズやらプレデターやら日本のロボットアニメ(しかもかなり新しいもの・・・原型原作の影響?)やらインディ・ジョーンズやらマトリックスやら、詰め込みすぎだよ。。

あと戦闘が汚い。ロボットだからといって目に弾丸貫通させたり首はねたり身体引きちぎったり片目潰して拷問したり、正義側のやることとしては(大人は「これが真実の戦争」だから歓迎だが)少々きつい。



で、何だWCて。。
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by r_o_k | 2009-06-27 15:48 | 映画

また「ネットは大混乱」かいな。

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きょうシネパトスにロメロ爺の「ダイヤリーオブザデッド」見にいって(いつからあんなに綺麗で混むようになったあそこ、、、外人さんまでいたぞ地下劇場)、2ちゃんまとめサイトと化したJカスの宮崎駿系記事とテーマがあまりにシンクロしてたので笑ってしまった次第。

いちいち宮崎駿発言で騒いでるたぐいのネット市民、日本にかぎらず世界じゅうのネットマニア、極めて個人的なことで恐縮だがボインボインのときも思ったけど、数が多いように見えて実は普遍性なんかまったく無い、出入り不能のバーチャルフォートレスに囲まれたバーチャル都市国家の連中なんですな。ロメロも少し買いかぶりすぎだと思う。メディア化したプロの世界はネットでも確立しつつある。個人発が信用されリアルでブレークする率はあんまり高くない。って映画見なきゃわからんか。

ほんとたとえばアメリカのサブカルというオタクコミュニティは一般認知度低くて、そこにリーチしたっておまんま食えない。ジブリはピクサーやらと違った形で地道に売り込み、題名や編集まで変えながら長年がんばってきてやっと売れた結果が今。もののけ作ってるあたりから外国人スタッフやCGスタッフが参加してきた、アニメ技法追求もそこで駿大老個人の作家性と少し乖離しはじめていたきがする。

駿大老は2000年前後くらいからアニメなんかより子供と老人と環境のことやら興味が年なりのとこに落ち着いてきていたみたいに見える。漫画かアニメかなんて「手段」論はわりとどうでもよさげだったこと、版元・放送元の当のマスコミが一番わかってたんじゃあないのかなあ。

騒いでるらしい(私にもその炎が煙をあげているところはさっぱり見えないけど)ネットだが、相手はネットなんかどうでもいい人であり、しかもそういう人だとわかっていながらも騒ぐネット市民の目的は何なんだろうね。目的のないのがサブカルだみたいな考えかたは古い。一発芸。80年代前半のモラトリアム思想が降りてきたころに少し似た、やおい的なものが、アマチュア主義を盾に正当化され閉鎖化無秩序化モラル破壊化。。今はサブカル語る場はその調子だから、なんかもう自分がいちばんその気が強いくせに、対岸の火事なんだよなあ感覚としては。

駿大老って漫画やアニメという形態は肌で知っている自分が描ける範囲以上は興味ないし創作行為の要は表現手段じゃなくテーマ(と食い扶持)だと考えてるまっとうな雲上の人でそ。ロメロがゾンビゲーム映画からシャマラン映画からブレアウィッチからクローバーフィールドからパロりまくって、雑で混乱して歪なスプラッタ作ってるのには、苦笑と共に、時代を露骨に映してきたB級映画作家の気骨をかんじたけど、きほん黒澤の時代によくあったモンタージュ論的な強烈奇想イメージショットを随所に挿入するのがすごい人で、今回も押し寄せた映画マニアの狙いはそれみたい。

作りが駿大老と似たところがある。明らかに不自然でハナシはおかしさ満載の雑然雑多なんだけど、終わりもぶつ切りだけど、なんか残る。タランティーノは露骨に影響されてんだなあ。宮崎駿大老はポニョでいろいろ言われたけど、ストーリーよりイメージで捉えるタイプの人、老若女性には非常に受けていたようだ。そりゃ老人賛美主婦賛美だからじゃんとか言う頭が機械な人もいるかもしんないけど、聞いてみ。深層は説明できない部分での感銘にあるみたいですが。。

ロメロも駿大老も70くらいか、同世代なんだよね。

アメリカはだいぶ立場が違うとはいえ、戦争と荒涼を骨で感じる同じ時を生きてきて、よきにつけあしきにつけ(よきが勝るのは明白だが)現代というものを作り上げてきた、現場サイドの人なわけです。旗振りはその前の世代。あんまり今の断層だけで憶測して盛り上がったつもりになってると、両監督の憂慮が的中しそう。麻生さんにはいかにも興味なさそうだなあ。環境語りながら車好きって矛盾はいっしょか。空気の破壊は海の破壊よりたちが悪く体蝕む。シャマランもロメロも空気感染の恐怖を描いてたね。諸星先生はバイオの風を描いた。諸星先生ファンって上の世代にも多いけど(いわゆる後期高齢者にもね、そりゃデカダン期に育ってるんだから感覚は案外現代的なかたが多いんです)、駿大老に欠けているのは映像人ならではの難しさというか、ストーリーに奇想を載せる繊細な作業を一人ではできないとこにもあるかなあ。諸星先生の才能はちょっと信じられないほどだから比較は難しいけど、エイリアンでカットされたシーンは日本漫画好きのリドリー・スコットが生物都市
からとったシーンだった、とかハナシあっちゃこっちゃなのでここまで。

承後
by r_o_k | 2008-11-22 01:09 | 映画

「アイアンマン」

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悪いほうに裏切られた・・・このての映画に期待は禁物です。さいきんのマーベル並びに影響下にあるヒーローもの映画は9.11後のアメリカの社会的意識変化を反映した捻りが加わっている場合が多い。しかしこれは余りに古いヒーロー・・・ベトナム戦の頃くらいだっけ・・・を持ち出しすぎた。古い造形と古い概念をなんとかリニューアルはしているけど、底浅いというか、途中からアレ?となる。けっきょく、最初だけ面白くて、あとは全く、どんでん返し含めてそのまんまというかんじ。冗長なヒーローもの映画で、なおかつ蛇足的に加わったシーンについては、マーベルコミックのファンでなければわからないだろう。主人公のダウニーJr.は面白くてかっこいいけど、ダーティなほうが向いてるな。

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最後まで見ることを事前に促された挙句、???と思った人も多いと思う。とにかくダークヒーロー的なものを期待してはだめ。これはハンコックのほうに分がある。実際、ハンコックのほうが強いだろうし。。☆一つ半。この駄々長さに単純な筋では・・・大人はだまされない。映像もあんまり凄くないぞ。市街戦なんてトランスフォーマーだ・・・

というか、ロボコップだよなあ。

ただ面白いのはこのアベンジャーズの中核となる人物の変身後の姿。何故か日本の後発特撮モノやコミックの影響を受けているとおぼしきところで、心臓部にあたる「パワーの源泉」なんてスーパーマンのクリプトンが元ネタなんだろうけどここではまるきりウルトラマンのカラータイマーだし、改造人間的な部分は相互的でもあるんだろうけど仮面ライダーぽい。ここはどっちがパクリかわからないけど悪役のパワードスーツの着用姿は士郎正宗「アップルシード」のスーツそっくり。モビルスーツではないです。

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by r_o_k | 2008-09-30 16:15 | 映画

「ウォンテッド」

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マゾには堪らない映画。増してマゾを自称しながら内面サドな人には、最後非常にカタルシスを得られる流れの映画。

意味は見ていただくとして、とにかく物凄いカットをこれでもかと詰め込んでくるこのロシア人の映画は疲れるのだが、ハリウッドらしい流麗さがゴツゴツ感を若干カバーしていて見易い。

けど・・・最近よく思うんだけど、「怖いロシア」復活がこんなところにも現れているのかなあと・・・アメリカが元気の無い今、明らかにマトリックス一作目等のアクション映画を真似しながらも(弾丸曲げる抜き撃ち技には勝新の居合斬りも入ってるのかな)「やりすぎ」の度を越した表現で数倍「ありえねー」映画に仕立てている。

ビジュアルコミック原作だからありえねーのは当たり前とはいえ、さすが「デイ・ウォッチ」の監督、あの感覚をそのまま持ってきているから、何も考えてなくて面白い(心なしか1000年結社の設定も似てるね)。金かかってるだけに、逆にあそこまで奇矯な映像感覚やアバウトな筋では無いが。

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とにかくナイト・ウォッチやデイ・ウォッチを見ていない人にはとくに、荒唐無稽さを迫力ある映像にする押しの強い運びは一見の価値あり。シナリオはありがちで平凡という声もきかれるけど、設定こそありがちにせよ、映像や道具立て、どんでん返しは私は素直に楽しめた。無理なギリギリの筋、がいいのだ。余りにドカドカとアクションシーンを詰め込んでるだけに中盤説明的場面で相対的にダレた感じがするが、最初のどんでん返し以降はロシアンアクションではなく、ハリウッド的筋にのっとったアクションが楽しめる。

最近よくあるけど、クライマックスシーンをCMで見せてしまうのはどうかと思うな。。CMだけでは意味はわからないからいいけど。☆二つ・・・二つ半にしていいかな。楽しかった。コミックヒーローものも変わってきたね、ハンコックもそうだけど。ハンコックよりお得感はある。主人公が演技のできるジェームズ・マカヴォイだからねー。彼の独白や体で表現する非常にわかり易いメッセージは若い人にはカッコイイと思えるだろう。けっこう好き。

アンジーはやつれ過ぎ。アクションの身体じゃなくなってるなあ。ギャラの問題で出演シーンや見せ方に制約をつけてる可能性もあるか。もう身体張る役者じゃない、とか。肌白いし唇薄い。スパムメールに名前使われるナンバー1女優・・・

それにしても、ここまでちゃんと「主人公の厳しい修行」を描きこんだ映画は少林寺かドラゴンボール以来だな<まだ映画出来て無いって

設定上「リセットできる」からいいけど、「痛い」んだよなあベドさんの暴力表現て・・・ダイ・ハードと比較されるのはなるほどかも。血流れるよー。免許皆伝後の主人公だけは、いくら撃たれても斬られても・・・痛みに強いみたいだけど。
by r_o_k | 2008-09-24 23:33 | 映画

「ハンコック」

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なかなか捻ったストーリィで、細部の作りこみは浅いが、ギャグ含め会話もなかなかテンポよく盛り込まれていていい。この変化に富んだ内容を二時間で消化するのは大変だったろう。流行りの手持ちカメラ風カットの濫用、機械的で説明調な筋運び(だからこそ繰り返されるどんでん返しで賛否両論出るのだろう)は仕方ないんだと思う。もっと余裕があったら痛快娯楽作品を期待した向きにもシリアスな後半の展開をちゃんと理解させられたろう。「アンチヒーローなハンコック」はCMで出ているシーンが殆どで、ヒーローものにありがちな浅いヒューマンドラマに化していくわけだが、このアンチヒーローぶりが今までになかったタイプの破天荒さで非常に魅力的。

CGはスーパーマンの映画再リメイク版とマトリックス三作目を粗くしたような感じにすぎないのだが、意味無くとっぴな見た目のシーンを入れるわけではなく、いちいちちゃんと理由があるのもシナリオがいい証拠だ。勿体無いなあ、かなり壮大な設定を消化不良のまま映画館にかけてしまった感じがする。ネタバレを避けるために敢えてぼかして書いているのでわけがわからないかもしれないが、どんでん返しの「あんまりだ」ぶりはシャマラン風でもあり好悪あるとは思うけど、私は好き。しかも一回ではないし。

スーパーマンの黒人版という露骨なパロディでもあり、最後の設定や展開までスーパーマンのオマージュになっている(ほぼまんまだ)が、犯人側の造形もやや弱いか。もっとちゃんと印象深いキャラにしてほしかったものだ。シャーリーズ・セロンの演技ぶりも見もの。この人はちゃんとわかってる人だ。ウィル・スミスも達者。☆二つ。直後は二つ半にしてもいいと思ったのだが、オチはよかったものの、結局これって続編の作りようが無い、ちょっと哀しい終わり方なので。。痛快娯楽大作を期待していくと前半だけでちょっと飽きてしまうかもしれないが、素直に見ましょう。乱発されるハリウッド製コミックヒーローものよりきっと楽しめる・・・バットマンを除いて。

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by r_o_k | 2008-09-03 18:57 | 映画

「ゾンビーノ」

・・・時間の無駄だった・・・ゾンビ・コップみたいな少しでも考えさせる部分があってもいいと思うのに、この設定でそのお話では、そのまんまじゃん、ただのブラック・ジョーク、バタリアン系ゾンビもの・・・そこに50年代の風物を入れるというこれまた珍妙なやり方。☆ひとつ。ゾンビって汚いなあ。マトリックスからここまで落ちたかあの女優さん・・・
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by r_o_k | 2008-08-31 21:58 | 映画

「バベル」

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悪いのはモロッコ人の弟とメキシコ人の乳母だと思う。何かみんなが原罪をしょって、みたいなことではなく、運が悪かったことはあると思うけど、この二人は何かしらやっぱりおかしいと思う。それだけまず書いておこう。こう思わせたのは製作者としては余り意図に沿っていないと感じることだろうが。

同じ地球上の富める者と貧する者のコントラスト、プラス価値観の相違を露骨に描いたような・・・「やっぱりね」という感じはどうも最後まで抜けなかった。映画だから現実ではけしてないのだが、「現実だ」と思うと確かに感じ入る部分はあり・・・地球は今や狭くなり、世界じゅうの人種がバーチャルなレイヤでは混沌と交じり合い暮らしている・・・バタフライ効果っていうんでしたっけ、「風桶理論」で「やくしょこうじがハンティングに使ったライフルをモロッコに置いてきたらアメリカ人が撃たれ子供が死に、一人のおばはんがメキシコに強制送還になる、と言ったら身も蓋も無い話なんですが、そういうことも今やありうるのだ、無責任にとった行動の責任とか、いや、そんな高尚な話ではなく単純に、世の中全てフクザツに絡み合っていてもう純粋に孤立した存在ではいられないとか、なんかそんなかんじのけっこう単純でいて深い話でした。

かなり細かくカットを編集しているので、芸術映画が余り好きじゃない向きはそのへんが錯綜しすぎて見づらいのが気になるかもしれない。筋の弱さが音楽と映像でごまかされてるなあ、という部分もある。日本のシーンを見て思う。だってあれはリアルなようでいてやはりリアルじゃない。若者がウイスキーでクスリはやらない。スコッツじゃないんだから。日本に対するちょっとした誤解もあるように思う。少し古いし。耳がきこえない設定の菊池りんこ氏の演技は体や顔の芸という部分に特に鬼気迫るところもある。でもそれほど強く印象には残らない。

とにかく「陰日向に咲く」同様、3つの全く異なる話を同時並行的に動かしていき最後でつながるという趣向なので(メキシコだけ少しずれているのが肝でもあるけど・・・これに気づかないとほんとに単純な映画だと思うよなあ・・・「モロッコではもうすべて解決しているのに乳母を家に帰さなかった傲慢なアメリカ人夫婦のせいで」という部分)、ちょっとでも違和感を感じだすとその部分だけが突出してずれていき変に感じてしまう。この映画、すごく日本映画的な感傷性も持っていて、日本の場面だけ見るとけっこう日本でもこう撮る人いそうだなあ、という感じもあることも含め、電話や交友関係といった直接的繋がりのない、ただ昔ハンティングに行っていたことがあり、その銃が全ての問題の元というだけの繋がりで日本人が出てくるだけだと弱く、日本のシーンだけが別の映画のようにすら感じられてしまう。これがどうも冷静に考えて変なかんじだ。日本はバベルの塔を築いてその上で空虚に泣く一人の少女なのか?うーん。

悪くない。☆二つにはするけど、コミュニケーションの手段としての言語の違い、口がきけるかきけないかの違い、そのへんがバベルなのだというところも含めて伝わりづらいところもあり、何か話が整理されていない、何かもっとやりようがあった、そして、アメリカ人は憎まれているなあ、そんな印象を持った。
by r_o_k | 2008-08-31 21:47 | 映画

「スカイ・クロラ」

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これほど世界観にはまった映画はSW以来なかった。精緻のきわみの映像美はやはりアニメーション以外にはなしえないろうし、シンプルな描線の二次元人物は最初は違和感があるがあくまで諦念のもとに冷静に描かれる内容と絵柄がシンクロして後半は没入して見られる。

これは前知識なしに見たほうがいい、たぶん小説を読んでいたらいろいろ文句もつけたくなったろうし、

キルドレなんて設定もじつはそれほど重要では無くて、普遍的な問題を描いている・・・終わりなき日常という幻想にとらわれがちな若者と、若者が大人になりきれずに中年を迎えている実際の現実のそのままを抉り取り、

残酷だけれど一種理想郷を描いている。強引に言えば「ビューティフル・ドリーマー」なんだけど。描き方は逆だが。

じっさい切ないのに、とても楽で、すがすがしくて、この世界で暮らしたい、と思わせるのだ。それはイングランド南部に取材したような非常に厳密な自然描写に見て取れる。

それとは一線を画した鉄、という重量感のある、模型のようにスケールが小さく見える3G戦闘機と二次元人物の重ね合わさったときのギャップにはやはり宮崎アニメに比べまだ違和感が否めないが、だからといって宮崎アニメほど融合してしまうと味がなくなるものかもしれない。

能面に人はそれぞれの中で一番いい表情をあてはめて能を愉しむ。これは能面のような人物にそれぞれの人の想像力が表情を汲み取っていく。まさに大人のためだけの映画だ。

攻殻系二作やアヴァロンよりずっと好きだなあ。設定や異常な長台詞に不要なほど説明的な部分や政治的に生臭い部分があり、そこは原作ならびに押井監督の学生運動時代の思潮が未だ残っているのかなあとも思うが、個人的には筋はこれでいい、もうこれ以上ひねらずに、あの世界観の中にずっと浸らせてほしい、それだけを思って見ていた。奴隷種族と化した社畜日本人?それでもあのキルドレたちは、幸福だと思う。

邪魔しない音楽が秀逸。抜きん出もせず、剽窃もなく。あやかはんそくだよー

ここまで後引く映画は年2本あればいいほうかな。単館上映のヨーロッパ映画の大当たりを見たときのような、眠れないのでついにかいてしまいました。もっと気分が抜けてからすっかり書こうと思ったのに。落書きを載せなきゃならんので無理栗描いたけど、少ない画材と記憶だけではこれが限界。ごめん。

原作読もうかな。DVDは多分買う。ポニョよりワンランク上の☆二つ半ということで。

だって、続きが見たい。オチも予想通りの含みがあるし。

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by r_o_k | 2008-08-30 04:35 | 映画