2008年 01月 30日 ( 2 )

「テラビシアにかける橋」

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原作を読んでいない。冒頭からテレビドラマのような無難な絵で押しの弱い表現。甘っちょろい邦画を見ているような緩い流れ、まったく予想どおりの筋。流麗とは言えない絵面や場面転換。幻想場面のもやっとしたわかりにくい感じ。原作付ならではの深みはあるものの、パンズ・ラビリンスを想起せざるをえないような主題。幻想と現実の混淆というのはファンタジーにけっこうよくある設定である。

しかしそれらをおしてもなおこの作品が深い感傷をのこすのは、すべての子役の巧さもさることながら、周辺を固める大人ともども、現代アメリカを生きる家族・人間たちの機微の描写(私はこの主人公の両親が生活の算段に頭を悩ます場面がとても好きだ)、それは幻想すら霞んでしまうほどにリアルに迫ってきて、この作品がファンタジーであることを忘れさせるほどヒューマンドラマであるところにある。この作品も原作者の協力があり、脚本にいたってはモデルとなった原作者の子供がつとめているが、原作をよく知らないが、とても綺麗だが、けしてファンタジーではなく現実に足をしっかりと置いたドラマになっているところに非常に共感した。1時間半という時間は短い。その中でギリギリ言うべきことを詰め込んでいる。主人公の彼女の存在がまた、過度に感傷的にならない。パンズ・ラビリンスのように「幻想世界に蘇る」こともない。いや、ここには「想像力」による幻想世界はあるが、子供時代に共有しあう仮想的な幻想にすぎず、あくまで現実だけが全てであるということがはっきり主張されている。そこが何とも言えず素晴らしいのだ。原作がいいということなのだろうが。。最後まで見て、「テレビドラマのような無難な絵」が誠実に話を連ねてくれることが寧ろ心地よかった。

トロールの顔を見た瞬間、これは☆三つしかありえない、と思った。
by r_o_k | 2008-01-30 22:33 | 映画

冬寒に哭キ烏いず

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和光が大幅改装に入り人々を若干落胆させている。銀座にはやっぱりいつ来ても曇る。さいきんとくに霞がかかる町というイメージだ。ロンドンとかぶる。マリアージュ・フレールにひさしぶりに行く。フランス紅茶。こ洒落てて厭味。久しぶりのメニューを説明してもらうも結局いつもの手ごろなやつを買う。烏がないている。今日は鴎はいない。平日によくもまあ人がたくさん歩いている。劇場や映画館も列作っている。くだらない。

くだらなさを追求するのもまたよし。
by r_o_k | 2008-01-30 16:21