怪物図録・頭で食う者

上総国庁南の妙覚寺門前に人々がたくさんいるところへ、ある農民が十六人でも十七人でも一筆書いてくださいと訴えていた。奉行久保田平右衛門そのゆえを質したところ、まずお見せしてからということになり、俄かに設えた小屋へ行き戸を開くと、耳、目、口、鼻が無い瓢箪のようなものが黙然として座っていた。これは私の父です、若い時に鳥刺しをし霞網を張ってあらゆる殺生をしたところ、応報を受けたか、俄かに患いつき、こうなってしまいました。物を食うところを見せましょうといって粥を頭に注いだところ、鳥の嘴がいくらか出て、少し啼き声をあげ、食ったという。(新著聞集)

頭で物を食う瓢箪のようなのっぺらぼうの男の話は平安時代くらいのものにもあった気がする。いずれ病で哀れをさそい物乞いをする類でもあろうか。

怪物図録(本編)
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by r_o_k | 2008-11-25 23:09 | 怪物図録 | Comments(0)