
死神につかれ何度も自殺仕掛かった婦人の話。
あるとき不意にこの世の中が詰まらない様な気がしてたまらない。傍らの研ぎ澄ました鋏で喉を突こうとし、寸で主人が鋏をもぎ取ったが、後日もわけもなく自殺を思い立つようす、催眠術などでいっときはおさまった。
しかしある晩二階で似ていると、誰だか知れない女が枕元で呼ぶ。目をあけても知らぬ女だったが「こんな詰まらないところから出ていっしょにいいとこへ行こうよ」と強く責めるように奨める。困っていると少しずつ移動して、階段の上まで引き立てられていた。
たまらず助けを呼ぶ。皆死神の痕跡を探すがまったく無い。
三度目風呂の帰り、とある街にさしかかるとあの夢の女がいる。ふらり、と寄って
例のように
死ね
死ね
とささやく。
別にその必要も感じなかったのだけれど、ふらふらとついていった。
そこは緑深い谷で百花繚乱の中、美しい婦人が何人も何人も楽しそうにあそんでいる。
、、、急いで行かなきゃ。
気付いたら三宝木津川波止場で、大川にひとり身を投げようとしていた。
(福来友吉「不可思議」より「死神の附いた婦人」、「ムラサキ」掲載、「不思議の研究」博士書院M42収録)
怪物図録(本編)
まぁいつもながらまずなんでこんな画像を撮ったのってはありますが、まぁそれでも結構怖いと思えるものだな。
でも大半はまず、なんでこんなのを撮ったの?なんでわざわざ幽霊がよく写るようにカメラを振ったのってのが多すぎだね。