揺りかごから酒場まで☆少額微動隊

岡林リョウの日記☆Twitterまとめ日記。過去旅行の整理、歴史・絵画など。

「人の死と鴉鳴」

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此頃或人が私の所へ来て「一体死人と鴉とは如何なる関係があるのか、死人のある屋上には何故に鴉が来て啼き、璽して其の訃を親戚や菩提寺に知らせるのか、且つ又其鴉は何故葬礼に付附き纏うのか」という質問であった。で私はそれは易い解釈だ、一家に病人がある、其の病人は何時何十分に呼吸を引くかと医師に聞くと、今晩は難しいと宣告する、家人が涙ながらに後事の要意をして居ると患者其の晩に死なずに二日も三日も活き延びる事がある、又全く復活する事もある、明日の晩頃だと云われた病人も医師の還った後間もなく寂滅する事もある。それは重に気圧に関係するからで、気息奄々たる病人は空気の圧力に耐えずして死する、幸いに此の気圧に抵抗することが出来る程の病人なれば、次に来るべき気圧までは無事に呼吸を継続する、是は人間許りではない、動物でも同じ事で、健康体の人でも気の滅入るような時があるのは気圧の強い時なのだ、現に空中に生息する禽鳥でも高く飛ぶ事が出来なくなる、鴉が人家に下って一種厭うべき叫びをするのが、全く此の気圧を受けた苦痛であるのだ。
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息も切れ切れの病人がコロリと往生する時も実に此時で、道理で鴉の啼声が悪かったよと云うのも此時である、それからお厨子の位牌が倒れたり、燈明台が転覆したりするのも此時、家人や寺の住職が其の響きを聞いてソレ幽霊などと騒ぐのも此時、そこへ人の訃を聞くと道理で、昨夕お厨子が荒れたと結びをつける、是は気圧の関係で地震が起る、人に知れない程の微震でもよく物が倒れる、璽ういう時に起る現象であるのだ。葬儀の列を逐うに至っては、蝋燭と団子が食いたいばかりである、人事十中の八九は科学に依って言い書される云々。

文学者 井上円了

(柏崎日報/「不思議の研究」博士書院M42)
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・・・そりゃハレー彗星で空気がなくなるわけだ。

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by r_o_k | 2008-11-03 23:32 | 不思議 | Comments(0)
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