2008/7/29「妖精ケルピー」
2021年 01月 23日
内臓系の話はアングロサクソンに多いみたいだねえ。南米やフィリピンなんかにもあるけど。日本や中国のように骨と皮だけ残して中身をすすられる、なんて食人談とは裏返し。ブレアウィッチはこの伝承にかなり近いというか、典型だ。さすがキドニーパイを好む肉食人種。
七人の犠牲者、っていうのは日本の「七人みさき」にも通じるけど、7という数字は世界同時多発的な意味ある数字ってことで直接的な関係は無いと思う。湖の馬もしくは牛、という食人妖精の話は、日本同様、アニミズム的な民間信仰の一つの発露であり、ネッシーみたいなものと無関係ではない。寧ろ同じであって、キリスト教徒が駆逐した、という伝承がネッシー目撃の最も古い記録の一つとなってるのは示唆的だ。日本でも水と牛という関係性の話はあるけど、このへんは比較民俗学とかなんとか言われるとめんどくさいので省略。
少女と内臓(血、不浄)、水および馬の象徴するもの、少年との対比、あきらかに何かを示唆してますが、つげ義春的なこのへんは誰でもわかる話か。少女の好奇心と死てのもわりとある設定だ。
出典:ブリッグズ「イギリスの妖精」石井美樹子・山内玲子訳筑摩書房
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俺の絵柄は怪奇譚に合わないなあ。この話、どうしても諸星大二郎先生の絵柄が思い浮かんでしまう。途中で六人しか書いて無いことに気づいて一人加えたのは内緒。