ぱくりぱくられ
2008年 04月 25日
松ちゃんの大日本人をクローバーフィールドがパクってる、というのは妄想だと思います(昔の松ちゃんならそう思ったとしてもおくびにも口に出さない粋があったと思うんだけどなあ)。獣は確かにクローバーフィールドの怪物と共通する謎と奇怪さを持ってるとは思ったけど、ベースが大日本人のカリカチュアライズしたのと同じ日本製特撮映画だったというだけでしょう。奇跡的にうまくいった、試写もせず秘密主義で、隠喩を駆使した宣伝手法は参考にした可能性はあるとしても、映画会社の宣伝部門に閉じた話であって映画本体は別、それこそ直接には監督の言うとおりブレアウィッチがネタ元だし、ハンディカメラによるメタドキュメンタリーなんてのもありふれたやり方だしなあ。事前に一切情報をもらさないで興味をあおるやり方はスピルバーグがAIあたりをピークに模索していたものだから、これすらルーツは大日本人とは言えまいし、そもそもそんなこと過去さまざまな映画作家が宣伝したがりの映画会社と衝突してきた要因なわけで、大日本人はたまたま影響力の強い
人間の我儘が通っただけと見える。
中身の独創性ねえ、、、今の世の中完全な独創は難しい。大日本人もクローバーフィールドもその意味では些末な点を除き新しいとは思えない。メタに精度高く作り直したり、そっくりいただいたうえで根幹を換骨奪胎する、そういうのが今の映画のありかただ。ゼブラーマンと松ちゃんヒーローコントの関係なんてのは典型的で、互いに行ったり来たりで大日本人に落ち着いた。エヴァンゲリオン芸人というかなり無理な企画をアメトークでやっていたが、エヴァンゲリオンが内容的にも手法的にも独創的だったのはあくまで表層で、中身がガンダムをはじめとする従来的なロボットアニメのメタな表現をしようとしただけなことはよく言われていた。ウルトラセブンや諸星大二郎先生作品などから貪欲に取り込まれたパーツは効果的に、まるでエヴァンゲリオンで発明されたもののように整形されていたが、気付いてもパクリなんて誰も言わなかった、オマージュくらいのニュアンスしか。つまりは作品レベルの問題でもあり、パクリ側のレベルはもとよりパクラレ側のレベルとくらべ、パクリ
側が上回っていたらパクラレ側の負けなのだ。
しかしテレ東のエヴァンゲリオンをよく朝日が、と思ったらDVD告知だった。テレ東担当者の英断がこの作品を支えた面もあったことも忘れないようにせんと。
にしてもエヴァンゲリオン好きがアメトークにたくさんいたことがわかって面白かった。なんちゃって疑惑のあるしょこたんは売れてからほとんどエヴァンゲリオン絡みの話題に加わらなくなったねえ。
アメリカの有名人にもコアなファンがいると聞く。
映画の題材にも容易になると思うのだけどなぁ。
暗い救いのない世界だからかしらん。