揺りかごから酒場まで☆少額微動隊

岡林リョウの日記☆旅行、歴史・絵画など。

2008/3/6怪奇百物語・目借り婆さん

東京都稲城市の伝承とされるが、川崎をはじめ多摩川両岸中下流域に広く伝わっていたもの。かつて昭和のはじめまで、12月8日、2月8日の前の夜にこのあたりの農家はみな藁屋根に竹ざおを高く掲げ四つ目ザルをさかさに吊るした。それは「目を借せ」と言って「目借り婆さん」がやってくるのを避けるためであった。目借り婆さんは目を貸してくれない家には眼疾をもたらす疫病神であり、四つ目ザルは「目がたくさんある」ことから目借り婆さんがかわりに持って行くとされたのである。
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雪女と伝承されている地域が似ている。自然の猛威が重くのしかかる農業を営む都市近郊の「都市伝説」だったのか。田園調布のあたりではミカワリバアサンと呼ばれ、川でなくした子供を探してやってくるとされた(うぶめとも雪女とも混淆している)。名称の原意を離れた変容はこの妖怪に限らないけれども、物証や文字によるものではなく口承による伝播だった証左です。
Commented by wither108 at 2008-03-06 21:15
うう
これはちょっと・・・
ううう

実はねぇ
「遥かなる甲子園」
ってマンガ知っているだろうか。
風疹の予防接種のせいで沖縄のある世代の子は耳が不自由。
それだけじゃなく他の器官も弱く運動に影響がある。
そう言った子が甲子園を目指した。
その子の中のエピソードに、耳が聞こえない事でいじめを受けそれが原因で教室内で暴れた子がいた。
その子が言った台詞がいまだに鮮明なのだ。

「ねぇちゃん、耳くれ、ひとつ」
不自由な口から絞り出したその叫びは忘れられない・・・
Commented by 岡林 at 2008-03-06 21:33 x
山本のぼるさんでしたっけ、障害にかかわる漫画を一貫してかかれている。差別に容赦ない時代の伝承もまた容赦ないものが多く、妖怪伝承には複数の原型が混交して出来上がったものも多く、これもいわゆる物狂いの実在の老婆と悪い眼疾の流行と土俗神が混ざってひとつの習俗に固まったものかと思います。妖怪研究なんて人間の闇を覗く以外の何物でもないですから、あんまり誉められた趣味ではないです。ミカワリバアサンのほうはほんらいは恐らく身代わり婆さんなんですよね、子供の身代わりになると言って彷徨う。響きが似ているから同じカテゴリーに入れられたようです。
Commented by wither108 at 2008-03-06 21:48
この逸話は山本おさむ(おさむだよ)の創作ではなく事実みたい。
Commented by 岡林 at 2008-03-06 22:14 x
川崎のぼるさんと混ざりました(@_@)
by r_o_k | 2008-03-06 20:48 | 怪奇百物語 | Comments(4)

by ryookabayashi