揺りかごから酒場まで☆少額微動隊

岡林リョウの日記☆Twitterまとめ日記。過去旅行の整理、歴史・絵画など。

怪奇百物語・豊年魚

「予言獣」の典型的なもの。幕末から明治初期にあまたあった流行神の一種で、主として「護符の図柄」に使われた。海辺を歩いていると奇妙な生き物があがってきて、近いうちに大疫がやってくるだろう、と予言する。自分の姿を絵に写せ、それを門口に貼っておけば疫神を避けられる(もしくは大漁豊作を手にできる)とも言う。そしてまた海に消えた。・・・そういう話が旅の行者などの口から各地で広まり、絵はたくさん売れ、また類似品もたくさん作られ売られた。しまいには錦絵や新聞に描かれるにいたり、その都市伝説的な虚像ぶりがあきらかになったのである。来る苦難というところが天候不順にして天下が乱れた時期の人々の不安感を煽り、紙を貼るだけという手っ取り早さがまた受けたのであろう。「あまびえ」「アマビコ」という実に奇怪で稚拙な図柄のものも有名だが、何らかのちゃんとした伝統宗教にのっとった原型があるもので、庶民が表面的に図像をただ写し、劣化させていった結果、様様な稚拙珍奇な柄が生まれたようである。中でも豊年魚の姿は綺麗に錦絵にうつされ比較的固まった「人魚」として伝わったほうだ。どう見ても怪獣であるが。
怪奇百物語・豊年魚_b0116271_032484.jpg

「くだん(件)」とほぼ同類の話である。
by r_o_k | 2008-02-22 00:43 | 怪奇百物語 | Comments(0)
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