2007/8【レトロ町おこし】青梅妖怪ツアーふたたび【山口さんツアー】
2021年 02月 24日
二年ぶりの青梅は若干町おこしが進んでいたけど、寂れてる部分は寂れてる。旧い宿場町ならではの古建築、とくに蔵が多いけど、多摩川の河原に下るにつれ部分的にあきらかに社会的弱者の建造物や寺社墓場が増えてくる。まあ、そういう土地柄には裏にいろいろあるわけで、妖怪的な話も増えるわけで。
青梅マラソンの神にして怨霊伝説の主人公、七兵衛さんはほんとは幕府の隠密とかじゃなかったんかなあとおもった。ので怨霊だとか土地が祟るとか、七兵衛さんのことを喋っちゃだめとか、足が異常に早くて一尺ふんどしが地につかないとか、そういう話がくっついたんじゃないかなあ、幕末の義賊。居宅あとは七兵衛公園になって一キロ西のほうにあるけど、きほんてきにこの人にまつわる土地は忌み地として更地か公営地になっているそう。
首級さらし場あと(駅の右手の警察の裏あたり)
七兵衛さんの首が風雨で流されてきた宗建寺門前の小川。小豆ばばあが出たともいう(小豆洗いのように音を出すだけの妖怪。邪を祓う小豆をあてがったことから零落した家神や土地神の転化とも)。
宗建寺の三代前の住職さんが憐れんで首塚とした墓。マラソンの神、すなわち韋駄天に転化され今も信仰をあつめる。毘沙門天がまつられているお寺。その中にこの説明が。
寺勢のいいお寺です。にしても青梅の寺密集度は凄い。宗派違うし。さすが街道街。
これは別の某寺門前。青梅はお寺が異常に大きくて勢力があるけれども、ここに昭和初期まで「笑い地蔵」と怖がられた地蔵さんがあって、余りに笑うことから撤去された。お寺もこのことは余り話したがらないという。神域ではよくあることだけどお寺さんでそういうものを忌み嫌うというのは、何かあったのかね(たいてい供養して中に祀るものだが)。
将門願掛け梅、天下をとったら紅く熟すようにという願が叶わず今も青いまま実が落ちる。夏なのにまだ実がつき落ちていた、確かに青いまま。食えるらしい。
ツアー客を見守る木。
男井戸女井戸。うぶめのような子を抱いた雪女が出た場所とも聞いたが、左が男井戸で男根を示し、右が丸い穴で女陰を示す、一種の信仰の対象となっているところ。沖縄のガマの三つに別れる縦穴井戸を思わせるが、男井戸をこういう溝の形で示すのは初めて見る。
このあたりに昭和初期、上半身しか無い、むじな婆というものが出たという噂があった。この前は原っぱで狸も多く、またすぐ川に切れ落ちるいわゆるムラ社会の境にあたるところで、丸石積みの石垣がずっと続く。昔は子供が通うには怖かったのだろうし、この先はいわゆる被差別の人たちが住んでいた地域もあり、実際に怖いこともあったのかもしれない。
むこうの平地が多摩川の渡し小屋あと。小泉八雲の雪女の話の源と推定される場所だが、諸説あり(掲示板でも話題に)、またこの話の設定自体、現代には適切でない内容も含む可能性があると思います。突き詰めた話はマスコミには出てこないようです。
真昼間だったのだけど、あの辺りの風景には何かを感じる。
田んぼのど真ん中にある岩に何かのおまじないとか、墓の雰囲気とか。
来週の土日ぐらいにまた行って見ようかな。
今度はコンパクトデジカメではなく中判を持って行こうっと。
どうもコンパクトデジカメでは写欲が湧かない。