揺りかごから酒場まで☆少額微動隊

岡林リョウの日記☆旅行、歴史・絵画など。

2007/8/3ダートムーアのけもの、写真に

ミニチュア・ポニーほどもある黒い「ダートムーアの地獄犬」が撮影されたというニュースが数日前ばっとひろがった。遠足の子供たちですら気づかなかったらしいから、シャーロックホームズも気がつくまい。

頭にhを埋めて。

ttp://www.dailymail.co.uk/pages/live/articles/news/news.html?in_article_id=471673&in_page_id=1770

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サウス・デヴォンの「ダートムーアの黒犬獣」についてはかなり昔にどっかに書いた(こればっか)。半ば民話や小説のたぐいだが、14世紀にスコットランドにあらわれたという

「萌える瞳」

もとい「燃える瞳」を持ち炎を吐く地獄の巨大な人食い犬。黒犬獣伝説の典型的なもので、ファンタジーゲーム的に言えば「ヘルハウンド」である。悪魔に魂を売り渡した男の民間伝承がダートムーアには伝わっている。1677年7月5日男が死んだときに地獄からやってきて忌まわしい彷徨を行った「幽霊犬」の群れ、コナン・ドイルにバスカヴィル家の犬を書かせるきっかけとなった。毎年7月5日に現れる地獄の黒犬伝説は農夫たちを長年怖がらせてきた。

ところでイングランド人もスコッツも前世紀にかなりやんちゃなことをやっていて、サーカス団やら道楽貴族やら一財産を狙った農場主が持ち込んだ野獣が逃げ出して繁殖したものが「エイリアン・ビッグ・キャット」や「テレポートアニマル」などと言われる「UMA」と誤認された場合が多いらしい。もっとも後年のそれは、普通の逃げ出したペットもしくは別のものの単純な誤認と考えないと、巨大な獣、しかも肉食のものなんておよそあの寒く餌の少ない島じまでは生きながらえ繁殖できない筈で、ごく短い間に密かな被害をもたらした逃亡犯の痕跡と伝説が混ざり合いこんがらがったのが都市伝説としてのABCやら黒犬獣やらといったものだろう。

イギリスはおろかヨーロッパ本土、森林に狼が群れ歩く荒れた山岳地域、特にドイツに多い黒犬伝説。最後にはノースデヴォンで過激な動物愛護活動家が襲った農場より逃げ出した豚じゃないかといわんばかりの論調。日本で言えば「遠野で河童が撮影された!」みたいな?

「遠野で河童」・・・東スポ・・・電波少年・・・うーむ。

そういえば週間theSUNはイギリスのタブロイドか、でも黒犬のニュースなんて載ったの見たことない。タブロイドで扱うほどには「墜ちてはいない」のかなこの話は。

ちなみに写真自体は豚やイノシシでなければ熊やクズリではないかと推測されている。
by r_o_k | 2007-08-03 23:12 | 不思議 | Comments(0)

by ryookabayashi