揺りかごから酒場まで☆少額微動隊

岡林リョウの日記☆旅行、歴史・絵画など。

2025/11/6-13文学的写真で一言4

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11/6

後に殘した藝術と信仰と、その後に出て來た破壞者の無遠慮な破壞の痕は、皆草に埋れてしまつて、人間の努力のどうせ無駄に過ぎない事を語つてゐる。ここに來て氣持のいいのは、美しいものと、それを滅ぼした人間のある力と、どつちも消えてすつかり跡方が無くならうとしてゐる(「飛鳥寺」薄田泣菫) pic.x.com/B54dEvqVEV

posted at 00:41:44

本を讀んでるのよ。「姐さん、おはぎをお土産に買つて來ましたよ。」つて、石を出すと、姐さんは本から眼を放さないで、「あいよ。」つて手を出したの。受けると馬鹿に重いもんでせう。きやあつて言つて驚いて庭へ投げ出しちまつたの。地響きがしてよ。姐さん隨分怒つたわ(「梅龍の話」小山内薫) pic.x.com/0kUUbEm5C6

posted at 12:34:19


posted at 13:11:17

燈明は四度も消えた。真暗な中で何か聞えた。知事は剣戟のふれる音だといっていた。維新の際には、少くとも十人以上人を斬っているが、知事は森島以外には、そう気にもしていない。先に森島の右の腕を切って、抵抗の出来ないようにしたのが恨めしかったのだろう(「霊界五十年」長田幹彦) pic.x.com/3KIG7bjlUR

posted at 21:07:20

戦時中、よくこの近くに絵をかきに来たことがある。その当時は、わざわざ園内に入らなくてもまだ畑も森もたくさんあった。しかし戦争が激しくなったころには、近くの丘に高射砲の陣地があって、それを知らずに絵をかいたら、兵隊にせっかくかいた絵を消せといわれたことがある(「豊島園」日野耕之祐) pic.x.com/1SrVBMCmDP

posted at 23:31:50

11/7

境内はだだっ広くしまりがない、本堂も大きいには大きいがかなり汚ない、それから宝物を見せて貰えまいかと頼むと庫裡へおいでなさいという、庫裡へ行って見たが誰も居ない、そのままずんずん上りこんで奥の方へ行くと奥庭に大きな桜の老木がある、ハヽアこれだな!と思った(「武州喜多院」中里介山) pic.x.com/wiDayziYzA

posted at 01:40:15


posted at 12:06:19

ええ風が吹く事、今夜は綺麗やけど冷めたい晩やわあては四条大橋に立つて居る花の様に輝く仁丹の色電気うるしぬりの夜空になんで、ぽかんと立つて居るのやろあても知りまへんに。(「京都人の夜景色」村山槐多) pic.x.com/pk3q0CzKV7

posted at 12:12:56

当時の風流人に岡本可亭があった。これは岡本一平のお父さんであるが、当時僕はこのひとに連れられて、入谷の朝顔、団子坂の菊などを見に行った。朝顔などはすでに京都の方がずっとすぐれていたから、京都の朝顔を知っていた僕にとっては入谷の朝顔など至極つまらない(「美味放談」北大路魯山人) pic.x.com/00yLKqzbW0

posted at 12:50:36

私は菓子を食べたことがなかった。家が貧しかったし、また私の郷里の土佐の国では、その頃まで勤倹質素を旨とする風習が残っていたので、菓子はぜいたくなもののように考えられていたからである。菓子を禁じられた子供たちは、いろいろと代用になるものを探して食べた。(「甘い野辺」浜本浩) pic.x.com/uolnyQKTE4

posted at 21:28:37

11/8土

いまゝでまはつたお寺は、どこも鐘楼が空ッぽでしたが と、ぼくは、ぼくのいち早い発見について、海老塚さんに質した。いゝえ、この寺も、供出しろといはれましたから、いつでも持つて行けるやうに下に下ろしました。いくら経つてもとりに来ません。そのうちに終戦(「にはかへんろ記」久保田万太郎 pic.x.com/J95NBqWys7

posted at 00:39:19

日本刀を持ち出し、その鞘を払って、抜身の刃をじっと眺めている商家の主人もいた。詔勅が終戦の宣言である、と予想していた私は、この有様を見て、日本はどうなる事かと思った。しかし、撮影所で終戦の詔勅を聞いて、家へ帰るその道は、まるで空気が一変し、商店街の人々は祭り(「蝦蟇の油」黒澤明 pic.x.com/VxwTUbLUyw

posted at 11:32:29

「水を、水を、水を下さい、…ああ、…お母さん、…姉さん、…光ちゃん」と声は全身全霊を引裂くように迸り、「ウウ、ウウ」と苦痛に追いまくられる喘ぎが弱々しくそれに絡んでいる。―幼い日、私はこの堤を通って、その河原に魚を獲りに来たことがある。(「夏の花」原民喜) pic.x.com/KDl5ZXC1tS

posted at 16:36:23

空想が現実に重なって来て千賀子を惑わさせた。転ぶように遠のいてゆく二つの影は、曲り角へ消え込む前に、又ぴったりくっつき合った。坂の裾でけたたましく犬の声が聞え出した。狐につままれたような呆けた顔で、寝間着の啓作と千賀子は雨後の濡れ光る坂道の真中に立っていた。(「妖」圓地文子) pic.x.com/gN3I2nYIBF

posted at 23:15:39


posted at 23:36:50

今年も二子玉川 pic.x.com/Y2kBuoP8OB

posted at 23:37:15

11/9日

雑沓の中には種々雑多の見世物小屋が客を呼んでいた、のぞき屋は当時の人気もの熊太郎弥五郎十人殺しの活劇を見せていた、その向うには極めてエロチックな形相をした、ろくろ首が三味線を弾いている、それから顔は人間で胴体は牛だと称する奇怪なものや、海女の手踊、軽業(「めでたき風景」小出楢重) pic.x.com/HSe2wBBj13

posted at 01:18:15

裾がまくれ足が離れ振り向く、雲上地蔵とか飛行地蔵とか呼ばれるものなんだろか。紙だから軽くて飛ぶとか…じゃないか珍しい「紙の仏」ずらり、被災文化財と共に紹介 元興寺で特別展:朝日新聞 asahi.com/articles/ASTC6…

retweeted at 11:19:31

「死なんと決心せし次第は」と問われて口籠ごもり、「ただ母が違うより親子の間よからず、私のために父母のいさかいの絶えぬを悲しく思いて」とばかりにて跡は言わず。「父母の名を言うことは許して」というに、予も詞も添え、「こおんなの願いの如くこのままに心まかせに親許へ(「良夜」饗庭篁村) pic.x.com/9TUXxCdAJx

posted at 12:45:23


posted at 15:32:41

思えば不思議な縁でおじゃるが、その時には姫御前とはつゆ知らず…いたわしいことにはなッたぞや、わずかの間に三人まで」母はなお眼をみはッたままだ。唇は物言いたげに動いていたが、それから言葉は一ツも出ない。折から門にはどやどやと人の音。「忍藻御は熊に食われてよ」(「武蔵野」山田美妙) pic.x.com/4DruzhUyc8

posted at 16:19:19

ぐぬぬ…たぬきの写真はない…高知二上山東京證誠寺 pic.x.com/R7j2H5JXmS

posted at 17:46:09

例のヒマラヤ山の後方から二十里ばかりの処に石塊の間に転がっていたのです。余程珍らしいもので、これが僕の一番の土産です。これによって見ると、始めにはきっと月にも人類が生存していたに違いない。でその人間は地球上の石器時代くらいの程度まで進化して滅亡したもの(「月世界跋渉記」江見水蔭) pic.x.com/oFpqiEah1E

posted at 21:45:08





11/10

戦死しても忘れねえで下せえよ。それが此子への…。』親御の二人よりかも、傍の一同が泣いて了いました。途端にもう汽車は出るのでした。直ぐ出ました。看々うちに遠くなって、後は万歳の声ばかり。私も悲しかったの若子さんに劣らなかったでしょう。(「昇降場」広津柳浪) pic.x.com/hnGtoTchBj

posted at 00:59:18


posted at 11:52:58

またさぐり寄って触ってみますと、衣服の袖のようですから、たぐりながら近寄ってなで廻すと、人が立っているようです。おやっと、一時は驚きましたが、はてなと、また大胆にもさぐり寄って撫でまわすと、首に縄がついていて、足は浮いているようす。(「わが夫坂本龍馬〜おりょう聞書き」一坂太郎) pic.x.com/9q6NqzpfT6

posted at 13:05:41

政治をするには、学問や智識は、二番めで、至誠奉公の精神が、一番肝腎だ。と云ふことは、屡ゝ話す通りであるが、旧幕時代でも、田沼といふ人は、世間では彼是いふけれども、矢張り人物サ。兎に角政治の方針が一定して居つたよ。(「黙々静観」勝海舟) pic.x.com/tES5KoIVvk

posted at 15:51:06

明治も四十年を過ぎた。十一歳の不老にとつて、たつた四十年が何だらう。ある日、盛装した花女がハルピンの駅頭に立つた。つれは、異人ではなく、このときはじめて日本人であつた。突然ピストルが鳴つて、伊藤博文といふ名の、その日本人が血に染んでたふれた。(「喜壽童女」石川淳) pic.x.com/oKSrTP0JHv

posted at 22:35:45

11/11

一人の女子生徒が立ち上がり「♪親のない人、手を挙げろ、六十余人のその中で、坊や一人が手を挙げた」と歌いました。普段母親は私を「坊や」と呼んでいたので、今まで涙を見せずにいたのに、堪えきれずに胸がジーンと熱くなりました。(「戦後七十年わたしの空襲体験とその後」東京都慰霊協会) pic.x.com/oEfo0bS2dq

posted at 01:11:18

折角骨折って小石を積み上げて居ると、無慈悲の鬼めが来ては唯一棒に打崩す。ナポレオンが雄図を築くと、ヲートルルーが打崩す。人間がタイタニックを造って誇り貌に乗り出すと、氷山が来て微塵にする。勘作が小麦を蒔いて今年は豊年だと悦こんで居ると、雹が降って十分間に打散す(「地蔵尊」徳富蘆花 pic.x.com/GQB9QSTikW

posted at 11:24:16


posted at 16:25:44

幾時間にして、如何なる緯度の上空に達し得るかを精知し得るが故に、ロボットがこれを操縦していても、予定の空点に於て寧ろ精確に爆弾を投下し得るだろうからである。この場合、徒らに消灯して、却って市民の狼狽を増大するが如きは、滑稽でなくて何であろう。(「関東防空大演習を嗤う」桐生悠々) pic.x.com/eEllwy7GDD

posted at 17:41:48

父親にみつけられて、半狂乱で玻璃窓の外から、真逆様に海中へ飛び込んだ救うべくもない不幸な娘と、それから、もう一人…蛸のようにツルツルでグニャグニャの、赤い、柔らかな…そうだ、精神的なショックや、過労の刺戟のために、月満たずして早産れおちたすこやかな彼の初孫(「灯台鬼」大阪圭吉) pic.x.com/yaQKiiSC1Y

posted at 21:37:29

11/12

「トゥージュール(常に)はフランス語」といふ句に出会ひ、とたんに霊感がひらめいて、さよならは日本語わかれの言葉といふ詩句(?)を得た。次に野坂に会ったときこれを示すと、彼は口をきはめて褒めそやし、今まで流行歌は数多いけれど、これほど当り前の文句(「さよならは日本語」丸谷才一) pic.x.com/UFaw1I20cH

posted at 00:17:23

アンチテーゼがセーラー服と機関銃(夢の途中)歌い出しですねえ

posted at 00:59:31

素晴らしくシツカリ摑んだものではある。實に、アリアリたるものである。かうなると、土地の真実といふものを伝へるのは、レンズなぞより便利である。エカキさんのいゝのにかゝると、寫眞機は間抜けた機械にみえる。惡いのにかゝると、寫眞機の方が氣の利いた人間にみえる。(「上野見物」獅子文六) pic.x.com/lcspMDYyIN

posted at 00:47:00

あゝもう見えなくなつた打ち寄する潮を飲んでお月さんをほつぽに入れて膝頭を仆したばい貝殻さん冬と健康があれば夏は要らない鰤も鯖も要らないと漁師の息子は申しました眠さうな船長さん魚の夢を覺まさないで下さい此の島に井戸でも掘って休みませんか(「海濱にて」高橋新吉) pic.x.com/SaQYhTDjtG

posted at 11:26:37


posted at 12:21:18


posted at 12:36:30

人魚はうつくしいのですか。みにくいのですか。どっちですか。 わたしはもう二度と海岸へ出まいと決心しました。しかしまたあの渚での濃艶な姿態が眼に浮かんできて、出てみたい誘惑にかられます。あのうつくしい姿はわたしの網膜にこびりついてしまってはなれません。(「人魚」火野葦平) pic.x.com/05VP3gtIL0

posted at 15:29:03

電光の如く近づき來たつた海底戰鬪艇は、本艦を去る事約一千米突―忽然波間に沈んだと思ふ間も疾しや遲しや、唯見る本艦前方の海上、忽ち起こる大叫喚。瞻むれば一隻の海賊船は轟然たる響諸共に、船底微塵に碎け、潮煙飛んで千尋の波底に沈み去つた、つゞいて起こる大紛擾(「海底軍艦」押川春浪) pic.x.com/HAWYwhZF1y

posted at 21:47:26

落日の光、森の彼方にあふれ、簇がれる緑の色、心を衝つ。見よ何者の大なる力か、我魂に迫り我肉を挑む。落日の前に漂ふ雲あり、美しき刹那あり。あゝ生きたる刹那よ、ほゝゑみ焼かるゝ刹那よ。自由に滅ばむとする、美なる一瞬時よ。(「夏の日の黄昏」三木露風) pic.x.com/hTnVHwF0j7

posted at 23:58:58

11/13


posted at 11:30:03

あついめしがたけた野茶屋どつさり春の終りの雪ふり森に近づき雪のある森肉がやせて来る太い骨である一つの湯呑を置いてむせてゐるやせたからだを窓に置き船の汽笛婆さんが寒夜の針箱おいて去んでるすつかり病人になつて柳の糸が吹かれる春の山のうしろから煙が出だした(「大空」尾崎放哉) pic.x.com/iaHG4Bvqj1

posted at 12:18:57

薔薇のもののけあさとなく ひるとなく よるとなくわたしのまはりにうごいてゐる薔薇のもののけ、おまへはみどりのおびをしゆうしゆうとならしてわたしの心をしばり、うつりゆくわたしのからだに、たえまない火のあめをふらすのです。(「藍色の蟇」大手拓次) pic.x.com/pgojJSOmw4

posted at 16:31:52


posted at 16:51:03

たつた一つの人形だけど、お庭の隅に植えませう。さびしくつてもがまんして、小さい二葉を待ちませう。小さいその芽を育てたら、三年さきで花が咲き、秋にやかはいい人形が実つて、町ぢゆうの子供にいくらでも、木からもいではわけてやる、そんないい木が生えるなら。(「人形の木」金子みゝず) pic.x.com/qVKswpwOed

posted at 21:12:44


by r_o_k | 2025-11-14 09:50 | 純粋日記 | Comments(0)
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