経を誦む舌

経を誦む舌

南斉は武帝の御世、東山(江蘇省)に住むある男
が土を掘っていると、妙なものが出てきた。形は両の唇に似て、そのあいだに鮮かな紅色をした舌がある。このことが上奏され、みかどより広く僧俗に下問があったとき、沙門の法尚が言うには、

「これは生前に法華の経文を誦し奉っておりました人が、死んでも不壊の姿をあらわしたものでございます。法華経をよむこと千遍に満つれば、その功徳はこうして顕われると申します」

ということであった。

そこで、法華経をつねづね持誦している人々をあつめ、くだんのものをとりかこんで経をとなえさせたところ、最初のひと声をとなえたとたんに、唇と舌とがうごきだした。このありさまを目にした人々は、さすがに身の毛のよだつ思いをしたという。この次第を奏聞したところ、みことのりがあって、唇と舌とを石棺の中におさめられた。

b0116271_20422072.jpg

〜「旌異記」隋 侯白 高橋信一郎訳 東洋文庫


by r_o_k | 2018-04-27 20:40 | 不思議 | Comments(0)

岡林リョウ☆フツーのつれづれをフツーに書きたいという変な欲望が囁きました。


by ryookabayashi
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31