【中国奇談】経を誦む舌(鳩摩羅什について追記)【聖なるものと奇なるもの】

経を誦む舌

南斉は武帝の御世、東山(江蘇省)に住むある男
が土を掘っていると、妙なものが出てきた。形は両の唇に似て、そのあいだに鮮かな紅色をした舌がある。このことが上奏され、みかどより広く僧俗に下問があったとき、沙門の法尚が言うには、

「これは生前に法華の経文を誦し奉っておりました人が、死んでも不壊の姿をあらわしたものでございます。法華経をよむこと千遍に満つれば、その功徳はこうして顕われると申します」

ということであった。

そこで、法華経をつねづね持誦している人々をあつめ、くだんのものをとりかこんで経をとなえさせたところ、最初のひと声をとなえたとたんに、唇と舌とがうごきだした。このありさまを目にした人々は、さすがに身の毛のよだつ思いをしたという。この次第を奏聞したところ、みことのりがあって、唇と舌とを石棺の中におさめられた。

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〜「旌異記」隋 侯白 高橋信一郎訳 東洋文庫

※鳩摩羅什

玄奘三蔵法師以前にインドに至り(というよりウイグルに生まれ幼時にカシミールで仏教を学び語学も身につけた)4-5世紀に長安で仏典翻訳に活躍、玄奘と並ぶ高僧(訳僧)として阿弥陀経、法華経、般若経を含む経典を東国にもたらした。玄奘の原典主義とは違うが現在も使われている。伝説では火葬が一般的だった西域で訳が間違っていなかったら経をよむ舌だけが残るだろうと言い残し、没後果たして灰の中に舌が残り経をよんだので皆感銘し羅什寺の高塔の中に納めたという。これがアレンジされたのだろう。

2018/4/27

by r_o_k | 2021-01-27 13:25 | 不思議 | Comments(0)

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