怪物図録(1)「角大師」〜「鍛冶ケ婆」

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世界にはいろんな怪物がいるものです。東京でも北海道でも沖縄でも、フィリピンでも中国でもインドでも、ヨーロッパでもアフリカでもアメリカでも、案外似たような幻想がうろうろしていて、水木しげるさんの「妖怪千体説」ではないですけれど、[親類さん]が世界中に棲息している。それは現在進行形でもあるのです。新しい種族が生まれ、世界中にぱっと広がる。宇宙人、なんてそんな存在。


この様相を自分なりに総括してラクガキにしてみようと思い立ったのはもう13年前のこと。練習(と勉強)の合間に大学図書館で情報収集、でも結局はわけのわからない妄想が形になってしまった。んでヒトに見せないままイママデきてしまっているのですが、このたびインターネットという微妙なメディアを手に入れたことで、ちょっと載せてみようかなあ、とおもったわけなのです。全部えんぴつがきで未完成ですけれども(てゆーかラクガキなんですけど)解説を付けたのもありますので、「妖怪」「怪物」「化け物(マジムン)」なんてものに興味のあるかた、

是非観てね!!


なんてたいしたもんじゃ少しも全くぜんぜん無いんですけど、要は個人的なラクガキ供養なのでした。

では・・・(2001記)


***

角大師

元三大師が自ら鬼となり疫神と闘ったという伝説から、角を生やした鬼形の大師の御像が崇拝されるようになった。弘法大師の「鬼大師」と並んで有名な密教秘儀を体現する逸話である。


一眼一足

元三大師とならんで比叡山を守った(守り続けている)高僧慈忍和尚の姿として総持坊につたえられている一目一足の奇妙な形。これは和尚が死後に山内で悪いことをしたりさぼったりしている者を諌めるために夜間巡回する姿とされ、赤い杖も伝えられているという。必ずしも図像にはかかれていないが、首から鐘をかけて鳴らして歩いているともいう。各地に残る一目一足の怪との関連性も興味深い。


二本足

「二本足の妖怪」。江戸の諧謔性の生み出した妖怪の可能性が大きい。

一つ目

もっともメジャーな妖怪で、日本では(何者ともつかない「入道」を除けば)妖怪イコール一つ目と言ってもいいだろう。ルドンを介して水木先生に流れ込んだ。

山父

人の寝息を吸う。ときに命を奪う物騒なもの。土佐。

幽霊

ユナウワー、ジンモラ

ウミマジムン

しばてん、えんこう(猿候)

高知の相撲好きな河童だが、目撃談がかなり最近まで至るのが特徴。山童と同じものという説もある。

陸タコ

入道

昭和になってから高知市灘・横浜近辺の砂浜に夜中に現れたという一種の「のびあがり」。

ムン

見返りの木

モクマオの首つり幽霊


かさねの物語は仏教の因果応報の説を裏付けるまことしやかな怨霊譚として後代にいろいろと変えられている節があるため、果たして芝居として語られるものが本当なのかどうかはお岩さん同様定かではない。

怨霊

犬小幽霊(犬小マブイ)

イチマジムン

布団幽霊

ヒーダマ(火玉)

ヒダマ(火玉)

ハンドバック幽霊

化け猫

河童


ぶるぶる、なで神、臆病神
絵ばかりが先行したイメージだが、ようは臆病風に吹かれた、というその背筋が意味も無くぞっとする感覚の擬人化のようだ。

柳女

笑い栂(つが)
大樹の根方だけ残っている。

鬼熊

おきな

寝肥(ねぶとり)
病気のたぐいとも考えられる。ホルモンの病気とか、過食症のようなものとか。

溝出(みぞいだし)


ミルク
沖縄の神はたいてい海からやってくる渡来神だが、現代も脈々と受け継がれ変化し増減し続けるものである。一般的なミルク(弥勒)もそれほど古いものとも思えない感じがする。漁師の町では太平洋岸どこでも盆に帰ってくる先祖霊がそれぞれの名をつけられ語られるが、それとも違う感じなのだ。造形は大陸的。

豆狸

葛の葉
葛葉狐は歌舞伎にもみられるとおりアシヤドウマンの母なのだがアベノセイメイと混同されることもあるらしい。いずれ奇術を使う陰陽師のような異人はこのような異界の者と人間の交わりから生まれたとされる事が多いのは言うまでもない。

クボタセンタロー
「毒蛇」の意味がわからない。ハーンより前に日本の怪談を外国に伝えた初のものだったのではないか。フランスは日本にとりわけ興味をもっていた国だ。

気仙沼の孫一
死人が生き人の体でよみがえるという話は江戸時代にいくつか語られていて、一瞬生まれ変わり譚であるかのような錯覚を覚えるが、結局「憑依」であり、元の「住人」はたまらない。

帷子辻

どんなに高邁な考えに基づく行為であってもその結果が悲惨であれば結局猟奇と受け取られるのがオチなのかもしれない。帷子辻は後代になっても怪しい不気味な場所というレッテルを貼られ続けた。

かみなり(雷獣)
現茨城にあらわれたもので、雷神の眷属というよりやはりムササビのような獣の様相をていしていたという。

骨狼、骨猪
この古街道は寂しい山上の尾根道で、伝説にはこと欠かない。ちなみに名称はてきとうにつけたのであしからず。

兵務司
油取り一揆はけっこう有名な話だったようだが最近聞かないですねえ。

破逆玉
中国に多いたぐいの話に思うが、江戸時代の随筆にも数寄者の話題としてまま見られる。

道後の大蛇
奥道後のほうはホテルの敷地になっているので注意。大蛇とはいうものの、頭骨の現物を見ると一部とはいえニシキヘビ程度のように思える。

赤子の怪
そっくりの経験というのはお札の場面だけね。詳しくは百鬼夜話の夢魔の項参照。

桂男
英語で言うところのルナティックな精霊で、月を見詰めていると現れ不幸をもたらし命を奪うという。

鍛冶ケ婆
鍛冶屋の婆さんが狼に襲われ食い殺されたが、その体に白狼が取り付き悪さを働いたと言う。ウェアウルフ系の話である。


by r_o_k | 2017-08-21 15:47 | 怪物図録classic | Comments(0)

岡林リョウ☆フツーのつれづれをフツーに書きたいという変な欲望が囁きました。


by ryookabayashi
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