旱母

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本草の山操の項目の下に「旱母」というものがある。身の丈計2,3尺で裸、頭の上に目があり走ること風の如く速し、という。よく人の家に入り姦淫をなし、火を放って物を盗み、人に害あること甚だしい。また、これが現れると必ず旱魃がある。日本で言う河童のことだろう(卯花園漫録)

この随筆にも河童について現代語られるような考察がかかれている。つまりはこの時代既に「伝説」だったわけである。中国と同期をとっているような記述になっているが、そのじつ中国から来た物という読み方もできるようになっている。違うものが混合した伝承という意識のもとに、河童の一種としてこの旱母というものを挙げているのだが、そもそもこれは異民族や盗賊のような「人にあらずのもの」のことだろう。旱魃の件は読みからのこじつけかもしれない。旱の字をあてた妖怪がけっこうあり、いずれも違う姿と属性を持ちながらも、旱魃をもたらすという点が一致している。この随筆には「人にあらずのものに対して害をなすもの」という書き方がされているのが面白い。
by r_o_k | 2009-11-26 22:42 | 怪物図録 | Comments(0)