洋中の新堤(海市)

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薩摩の小敷島の沖で漁師が何かを見た。皆が不思議に思って近づいてみると、洋上に堤がある。松の板を釘で打ち付けた中に、堤防を築き、上に7、8尺の松を植え、芝草を敷き詰めている。長さは3丁ほどだが、海中の広いところで3丁ほどとすれば、実質1里ほどあるに違いない。漁師達は恐れて帰り人に語ったが、後で船を出して行っても、二度と見ることができなかった。

これは海市と思われる。朝鮮の文献に、海上に門屋のような物を見たという記録がある。西海から来た漁師にも聞いたことがある(南陵漫録)

南陵は最終的に蜃気楼と結論付けているが、洋上で、細かな部分まで観察していることから現代で言う光学的な蜃気楼とはどうも違うように思う。隠れ里の類の怪かもしれない。
by r_o_k | 2009-11-15 22:57 | 怪物図録 | Comments(0)