牛の鼻の歌

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静岡に牛の鼻というところがある。20年前にその上の絶壁が欠けて落ちた。すると壁面に歌が一首現れた。ありありと見える、という。

よぶ牛の鼻の車に法の道引れてここにめぐりきにけり

この歌、大昔からこのあたりの人の言い伝えにあるもので、古老に知らぬ者はいない。そういった歌が自然に現れるのも不思議なりとて、ここの木挽の談話である(中陵漫録)

敢えて詮索しないほうがいい奇談だろう。これはそういうものなのだ。少し前、筑波研究学園都市に[お姉さんビル]なるもの、話題になったことがある。死んだ子供の断末魔の声がマンションの壁面にひび割れとして焼き付いたということだった。私も実見した。何人ものスキモノが調べ上げてもそのような事件の痕跡は確認できなかった。いずれ詮議は無粋、もっとも中陵は奇談の詮議に積極的だったようで、桜島の巨大兎を探しにいって嘘だと断言したりなどしているのだが。
by r_o_k | 2009-11-15 00:09 | 怪物図録 | Comments(0)