窮する村、人を冷凍し年を越すの話
2021年 01月 22日
ブログランキング参加してます、ぽちりとぜひ;
加藤恭子、ジョーン・ハーヴェイ「ニューイングランドの民話」玉川大学出版部より「冷凍人間のはなし」を参照。但しこの奇怪な話は創作であることが突き止められている。民話として普及した話は少し違っていて、ここの採話によるとニューイングランドの厳しい冬を越せない村では老人を氷詰めにして外に置いておいた、春になると溶けて生き返る、という「姥捨て山」さながらの話になっている。これはしかしジョークとして受け止められてきた話のようで、採録者の「日本の姥捨て山と同じ困窮譚ではないか」との問いかけに、老いた話者は明確に「違う、生きて帰るし、事実でないのは明白だから笑える」というように答えたという。結局この「冷凍人間」の伝説は1939年の新聞記事に載ったA.M氏なる人物の叔父が日記に書いたという話が源にあり、それがここにラクガキした話なのだけれども、更に遡り1887年の新聞にアレン・モルスが載せた記事で、創作だと断定されているようだ。
いかにも都市伝説ではないでしょうか。アメリカは都市伝説という概念を生んだ(人がいる)国でもありますが、小さな新聞記事が元になり、半世紀後に再度新聞に載ったとき話題を呼んで、読者が老人になったころ尾鰭を付けて、またアレンジして広まっていったもの・・・日本のタイムスパンでいうとしょせん明治時代の話じゃないかとなるんですがよく考えてみましょう。自分の人生の時間と照らし合わせて、半世紀はけして短い時間ではないし、100年といったら全く接点の無い世代同士になるくらいの期間です。日本は狭いから、距離的感覚の違いもある。アメリカで荒野に放り出されたら生きて帰れる保証はありません。距離+時間、それが日本における時間だけのへだたりの感覚よりもずっと大きい。非常に厳しい冬を抱くニューイングランドのヴァーモント州の伝説としてこれは説得力のある話で、過去に困窮を極めた村がいくつもあり、老人や力の無い者は足手まといタダ飯喰らい、だからせめて食料に乏しい冬の間は「凍っててくれ」・・・
アレン・モルスがいけないのだ。
俺実験台になろうかなぁ。
木星の片道旅行の後電磁冷凍で周回軌道に。
そして未来の技術に期待をするのだ(^◇^)
俺は木星の表面を見られたらそれで良いけどなぁ。