うつほ舟、海に還る

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あー、最初は生首に絡めてサロメネタにしようと思ったんだけどなあ。しぶさわたつひこさんじゃないですが、謎の箱舟「うつぼ舟(虚ろ舟)」はネタにしやすいせいか、いろんな幻想小説やホラーマンガのネタにされています。漂着したUFO型の船に異国の姫が乗っていた、という話は滝沢馬琴の中心になって編纂した「兎園小説」に収録されたものが原型になっている可能性が高いが、まったく別の記録としても残っていて、ほぼ内容が一致することから事実はあったものと考えられています。この話の舞台としている茨城の海岸以外にも同じような話はまれにあったようです。

そもそも形態はともかく「人の乗った中空の舟」の漂着譚はありふれていて、各地にあり、それは往々にして、沖縄や西日本においては華南あたりから、太平洋側においては恐らく遠洋船から流れ着いた「水葬船」だった。とくに高貴な人の棺船には副葬品として財宝が載っている場合もあり、それを横取りした地元民がタタリにあった、という話は江戸時代から近年まで、それこそ沖縄から東北まで語られ続けている。もっとも「寄り来るもの」は浜の住民にとっては私有物であるという概念も日本にはあって、本来人の住む場所ではない恐ろしい海辺に住む「浜の住民」は被差別的な存在であることから、外道な行為も暗黙のうちに赦されていたふしがある。

フダラク信仰がさかんだった中世には和歌山あたりから自殺行為のように小船で出航する僧侶も多かった。けっこう遠くに漂着してそこで布教を始める場合もあったようで、宮古島あたりまで届いたとも聞く。だが多くは水に消えた。もしくは即身成仏の姿のままどこかに着くこともあったかもしれない。フダラク浄土にたどり着くことを願って出航したのであるから、身はどこかへ着いても心は彼岸に到達していたのかもしれません。

流し雛が元は人身御供だったというのは有名な「俗説」ですが、海においてもそういったことは行われていて、酷いのになると予め犠牲者として育てられる女子がいたそうだけれども、たいていはよそ者が拉致られて何らかの願掛けのために死出の旅に流された。特殊な様相で貴重な品を積んだりもしたということから、うつほ舟は案外このへんの、けっこう近所の因習的な土地から流されたものかもしれないかなあと思います。描かれていたという文字がイザナギ流の文字やいわゆる神代文字に似てる気がする。神道系ぽいんだよなあ。アルファベットじゃないね。

罪人が流されるというのは普通の刑罰としてあったから、私刑の形態として多少凝った流され方をされる場合もあったかも。ただ、江戸時代って案外庶民の統制がとれ目の行き届いた社会だったから、特殊な事情でもないかぎりそんなことをすると倫理的に罰されるんだけどね普通。

また長々と・・・ごめんなさい。らんきんぐに参加しているので、押していただければ喜びます。びみょうな順位ではある。しかしブログ・デスマーチはいつまで続く・・・もう睡眠不足と体力不足で緩い話しかかけないよ。
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Commented by kenz_freetibet at 2008-08-05 10:01
一位の人ってひとつのパターンでいろいろとやる人なんだな。
でもそれが延々と続くとちとね。
組織票で負けているようだね。

竹取物語と浦島太郎。
どちらも作者未詳。
どうにも不思議だね。
でも不思議と言えば記紀。
あれが書かれた頃にすでに日本の地形を把握していたと言うのもちょっと凄いではないか。
もしかしたらSFってジャンルは日本ははるか太古からあったのじゃないかなって思ったりして。
Commented by 岡林 at 2008-08-05 10:18 x
本来的にはマンガブログになのでそっちに振り分けたいところなんですけど、今のマンガ感覚って完全にズレているのでイラスト側に振り分けた結果、まったく違う傾向のものと競う形になってしまってますwもともとコミュニティを持ってる人にはかないませんね。相互に押し合おう、というサークルもあるくらいですので。

竹取も浦島も環太平洋的な伝説なのか日本独特のものなのか、よくわからないようです。あのへんの話は平安時代と江戸時代に作り替えられている可能性もありますし、原型はなかなか難しいですねえ。。アンビリで浦島をやってましたが、完全に幻想(ネタ)として扱ってました。
Commented by 岡林 at 2008-08-05 10:20 x
記紀のメインは天皇一族による日本統一史をつづったものなので、地形や地勢はその過程で軍事的に十分知っていたんじゃないかと思いますよ。
Commented by kenz_freetibet at 2008-08-05 10:31
しかも聖書の内容をしっかりと把握し、その中からキリスト教的なものを排除しているところを見るとかなり編者は優秀な人だね。
Commented by 岡林 at 2008-08-05 12:20 x
古代の情報流通システムは、ローマや中国が巨大なハブになりそうとう機能していたので、日本が国体をなす頃にはわりと整理された知識がすでに汎知になっていた可能性があるかとおもいます。
Commented by mimimi at 2008-08-05 21:56 x
空洞の船の中に女の人が乗っていると言うと、やっぱりかぐや姫を思い出してしまいますね。
竹筒=宇宙船説って、根強いですよね。
宇宙に帰って行くし・・・。

でも、海に流されて行くのって、想像するだけでメチャメチャ怖いです。恐怖や破壊だけでなく、豊穣を与えてくれる源でもあったればこその伝説なのでしょう。
Commented by 岡林 at 2008-08-06 00:22 x
こんばんは。竹取物語も物凄く奥が深いみたいで、原典がどのようなものか私も知りませんけど、なにやらグリム童話のような怖いものな予感がしますw民俗学や神話学的には簡単に処理できてしまうという話もききますけど、それではなにやらもやもやします。いずれ桃太郎を追っかけるのが関の山です私は。。

海はわりと身近なので、あの怖さは尋常じゃないと思います。板こ一枚下はほんとの地獄、そこへ流されるという絶望的な恐怖を呪詛に使う、典型的な民間呪術形態ではありますが・・・呪詛返しもあったでしょうね。。。

定期的に寄り来るものの話は沖縄の渡海神が有名ですけど、海沿いの集落にはたいていある話で、もう過ぎてしまいましたが旧盆など、「きてはならないもの」を追い返すのに必死な祭りが各地で・・・
by r_o_k | 2008-08-05 01:36 | <風流>怪奇漫画落之書 | Comments(7)

岡林リョウ☆フツーのつれづれをフツーに書きたいという変な欲望が囁きました。


by ryookabayashi
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