逆柱は天地逆さまに立てられた家の柱。ポルターガイストのような変異を起こすといい、五行~安倍晴明の紋とされる五ぼう星~を書いて厄除けとする習慣もあった。本来天地は元の木の向きにしたがって立てるべきという考え方もあろうが、そもそも建築のさい柱に逆のものを混ぜると天井板や床板との継ぎ目のバランスが崩れ軋みなど生じることもあったようだ。材木の再利用の多かった昔においては材木についた傷を隠すため逆さまに立てたりもあった。禁忌を破ったため天地鳴動したり人病に次々と倒れるという話がある一方で、江戸時代にありがちだが戯れた洒落歌を詠んだことであっさり変異がやまったという話もある。これなど逆柱があることにストレスを感じていた人々の気持ちを逃がしたと合理に片付けることもできそうです。
賢柱や榊木柱と読み替えられている建築もある。神道建築において何らかの意味をもっていたからこそ逆に禁忌とされたのだろうか。但し、このような建築に「未完成部分」を残す方法はかなり時代が下る中国渡来の風水的な考え方なので、神代からのものには当てはまらないのだそう。