江戸時代の妖怪絵図には「二本足」などなどこのての「畸形妖怪」が登場するが、外来の絵図に描かれたものの影響も指摘される。胴に顔がある無頭人も中世ヨーロッパに流布していたアフリカ中近東にいるという怪人絵の影響が強いように思われる。「ばけもの絵巻」には一つ目の僧形のものがかかれている。腰に巻いた布と杖がオリエンタルな風情をかもし元ネタとの共通点を晒している。説明文は土俗的な因果譚となっている。それによると昔無益の殺生を好む者に首のない子が生まれた。人跡未踏の山奥に捨てたところそれが成長し腹に目口ができて、雪の降る夜に里に出て子を喰らうようになったという。
場所も詳細も書かれず、風説に近いものだろう。