揺りかごから酒場まで☆少額微動隊

岡林リョウの日記☆旅行、歴史・絵画など。

2001/1/1夢幻

私はそこにいたのかもしれない。

桟橋に水兵が立っていた。

光の鱗がさざめくように穏やかな海。

彼が桟橋に立っていて、少女はボートに乗っていて、互いに見詰め
合っている。少女の様子は良く分からない。小舟とドレスと日傘の
シルエットが、つと水面を滑って、彼を暖かく包み込む。

ただ立っていた。

少女は黙って彼を見ている。

少し、波が立つ。

少女の思い出の中に、彼はゆっくりと消えてゆく。

微笑みだけが残る。

彼は海で死んだのだ。

・・・私はそこにいたのかもしれない。

了(1999・11)
by r_o_k | 2001-01-01 00:00 | 純粋日記 | Comments(0)

by ryookabayashi