2010/10/20ネットは衰退した
2010年 10月 20日
むかしネットが普及しはじめ個人掲示板がさかんになったとき、ネットに接続できるみんなが発言し、積極的に交流していた。手の届く範囲で内輪的に盛り上がりをみせ、そこに参加することで新たな交流相手を見つけることは容易だった。
ネットがひろがるにつれ個人の嗜好にばらつきがあることが明らかになると、個人発信のメディアとしてホームページが作られるようになった。さらにその発展形としてのブログ(PC版SNSも)が生まれた。閲覧という片方向の表現形態ではあるものの、リンクという形で有機的な繋がりが保たれた。コメントとトラックバックというブログの基本機能は個人交流の可能性を残していた。
いま、ネットで個人交流とは何だろう。
ブログは衰退した。はっきり。ツリー型にまとめられたリンク集よりロボット型の検索エンジンが主流となると、リンク集をまとめる側の人間にアピールするのではなく、ロボットにアピールすることだけが考えられるようになった。
ロボットは冷徹にスコアリングだけをし続ける。そんな機械を相手にするうち、交流よりもただ、誰より知名度を上げることが皆の目的になった。リンクは知名度・・・アクセスアップのための道具にすぎなくなった。さまざまな手法が跋扈しはじめ、凡百の個人は敗れたことを自覚すると、あるいははなから興味がないと、やめてしまった。
交流するだけならもっと簡単なものがある。携帯SNS、ツイッター。そこにも穴があった。チャットにすぎないのだ。何か共通の趣味や研究、長期的な話題につどうことがしにくい、できないツール、インデックス付けされず、考えが細切れで流れ出し、混ざり合うツール。交流はあまりに刹那的となり、いや、刹那的にしかなりえない。
ツイッターのおかげで私は思考がバラバラになりがちになり、一貫した長い記事を書くストレスにも耐えられなくなった。うーん。これって私だけじゃないよね。
懐かしいのはホームページの時代だなあ。相互リンクとかWEBリングとか、懐かしいなあ。