怪物図録・弘法寺の妖像

下総に現存する弘法寺は学坊で知られた古刹である。国府台の古戦場が近く里見氏の悲哀にまつわる怪しい伝説、更に弘法寺にも涙石という怪異が語り伝えられ、現在も見ることが出来る。

江戸時代さかえた寺でもあり、その恐らく末期のこと。天候不順と飢饉、海外からの圧力がもたらした人心不安が民間信仰上特異な流行神という「俄か神様」の無数に生んだ。

弘法寺に日蓮像があった。木像であったという。

それが夜な夜な、読経するというのだ。

ネガティブにとるものはなく、ありがたや、近在の男女が昼も夜もこぞって詣でて大騒ぎ。当時の住職日堪上人、不審に思い夜、参詣を禁じ、木像に向かって問答を仕掛けた。像は黙り込んだ。法問の奥義答えなくば打ち砕くと責めるが黙りこくったままである。上人、立ち上がり斧を片手に木像を引きおろすと、後ろから古狸が慌てて逃げ出した。

追い詰めて打ち殺した。

(新著聞集)

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by r_o_k | 2010-03-06 02:21 | 怪物図録 | Comments(0)

岡林リョウ☆フツーのつれづれをフツーに書きたいという変な欲望が囁きました。


by ryookabayashi
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