怪物図録「茶亭の両首」

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能勢日向守が京都へ向かう途中松平越前守の屋敷へ迎えられ、饗応を受けたその夜のこと。燭台を手に便所に行き帰るとき、ふと右を見ると、茶屋があり、中で火が燃えている。間もなく四枚障子が開いたり閉じたりし始め、見るうちに子供の首と、坊主の首が出入りする。不審に思い息子を呼び、あれを見てみろ、と。

息子、誠に異様なものではないですか、とこたえる。

即座に二人で茶屋へ赴き障子の前近くに寄るとはたと、中に見えていた火は消え、あの首も見当たらない。茶屋に入り隅々まで探るが不審なものは見当たらない。引きかえし、縁の近くに来て振り返って見ると、また前のとおりだった。狐狸のわざなら探した時物音くらいはするものだが、無音だった。あれは何だったのだろうと語ったという(新著聞集)
by r_o_k | 2010-03-03 22:30 | 怪物図録 | Comments(0)

岡林リョウ☆フツーのつれづれをフツーに書きたいという変な欲望が囁きました。


by ryookabayashi
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